なぜスピーカー自作にはトライ&エラーが必要なのか?


この記事はまだスピーカーを作ってみたいけど、自作の世界に足を踏み入れるか否かを迷われている方向けの記事になります。
ぜひスピーカー自作の世界のこと、そして独自の楽しさを知っていただけたらと思います。

失敗するからこそ、音づくりは面白い

スピーカー自作を始めようとする方々から、

「正解の設計図はありますか?」 「このユニットならどの箱がベストですか?」

という質問をいただくことがあります。

もちろん過去の製作例や推奨エンクロージャーはあります。
※推奨エンクロージャーが公開されてさえいないものもあります。

しかし実は、スピーカー自作には絶対的な正解がありません。

だからこそ面白いのです。

音の好みは人それぞれ

ある人は、

「ボーカルが近く聴こえる音」

が好きです。

別の人は、

「低音がしっかり出る迫力のある音」

を求めます。

また、

「長時間聴いても疲れない自然な音」

を理想とする方もいます。

どれも間違いではありません。

音の好みは十人十色です。

そのため、誰かにとって最高のスピーカーが、自分にとっても最高とは限らないのです。

設計図通りでも音は変わる

スピーカーは非常に繊細です。

同じユニットを使っても、

  • 板材の種類
  • 箱の容積
  • 吸音材の量
  • 設置場所
  • アンプとの組み合わせ

によって音は変化します。

設計図通りに作ったとしても、自分の部屋で鳴らしたときに想像していた音になるとは限りません。

そこで必要になるのがトライ&エラーです。

一度の失敗が、次の成功につながる

例えば、

「低音が出すぎる」

と感じたら吸音材を調整する。

「高音がきつい」

と感じたらセッティングを変えてみるとか、コンデンサーを使用するとか。

「もう少し広がりが欲しい」

と思ったら設置場所を見直してみる。

こうした小さな試行錯誤の積み重ねによって、自分の理想の音へ近づいていきます。

これは完成品のオーディオ機器を購入するだけでは味わえない体験です。

音の違いが分かるようになる

興味深いことに、トライ&エラーを繰り返すほど耳も成長します。

最初は分からなかった違いが、

「低音の締まりが変わった」 「音像が少し前に出た」 「ボーカルが自然になった」

と感じられるようになります。

音を聴く力そのものが磨かれていくのです。

これはスピーカー自作を長く楽しむ人に共通する魅力のひとつです。

70年以上変わらない自作の楽しさ

秋葉原でスピーカー自作部品を販売していると、長年楽しんでいるベテランの方から初心者の方まで、さまざまなお客様とお話しする機会があります。

その中で共通しているのは、

「一度で完璧な音になった」

という話はほとんどないことです。

むしろ、

「少しずつ調整して理想の音になった」

という体験談ばかりです。

何度も試し、失敗し、工夫する。

その過程こそがスピーカー自作の醍醐味なのかもしれません。

完璧を目指さなくていい

スピーカー自作を始める方には、ぜひ知っていただきたいことがあります。

最初から完璧な音を目指す必要はありません。

まず作ってみる。

聴いてみる。

気になるところを少し変えてみる。

その繰り返しで十分です。

トライ&エラーは遠回りではありません。

自分だけの音へたどり着くための、一番楽しい近道なのです。

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